大田幸町・山下雅弘さん

もっと三次が好きになる！トレッタみよしの農家・農産物紹介

山下雅弘さん

先輩農家に認められる品質のよさとバラエティ豊かな加工品が魅力

恵まれた環境を活かして良いものを作りたい

集落の中で一番山に近い場所に住んでいます

山下雅弘さんの家は山里の奥に位置し、ミネラルたっぷりのきれいな水と豊かな土に恵まれた場所にあります。サラリーマンからの定年後就農でしたが、病気がちな奥様に健康になってもらいたいとの想いから「野菜を作るのなら、農薬をできるだけ使わずに安心して食べられるものを育てたい」と、２年の歳月をかけて野菜ハウスを５棟設置。少しずつ栽培品目を増やし、現在は生鮮野菜から加工品まで奥様の久代さんと二人で協力して手がけています。野菜の栄養がギュッと詰まった野菜パウダーから、お菓子に漬物、お餅まで。手がける加工品は数知れず。すべて自分で作った野菜を新しいカタチに変えた商品たちは、どれも高い評価を得ています。

自分が好きなものが基準に。結果は後からついてくる

試行錯誤によってできたスイートポテト

思い立ったらすぐ実行。「まずはカタチから入りたいタイプなので。この人（久代さん）に相談したら反対されるのはわかっているから、勝手に機械を設置したんだよ」と笑います。

加工品を始めたきっかけは、サツマイモが豊作だった年に売れ残りをなんとかしたいと、自身も好きなお菓子であるスイートポテトを作ろうと加工機械を購入しました。しかし作り方の知識も経験もなかったため農協の指導を受けてようやく商品として売り出し、甘さを控えた素朴な美味しさが好評となり子どもたちに人気の商品となりました。

手間暇かけて旨みを1袋に

店頭には季節に合った商品が並びます

特筆すべきは、野菜パウダーの豊富な種類！生姜、にんにく、かぼちゃなど約9種類、なんでもパウダーにしています。粉物の具材にしたり、ソースや味付けに用いて幅広く料理に活用したりできるほか、青汁やウコンなどは健康機能食品として重宝されています。まずは細かく刻み、乾燥機に入れ、深夜にも1回起きて温度調整をするなど手間もかかりますが、低温でじっくり時間をかけて乾燥させているので旨みが凝縮されています。通販できないかと問い合わせの電話がかかってくることもよくあるそうですが、二人で出来る分だけを貫いています。

夢は大きく！人が集まる場所へ

加工品の評価が高いなら、生鮮野菜も同じ。化学肥料を使用せず土作りにもこだわりがあるので味が良く苦味が少ないです。近隣の農家も山下さんの野菜は美味しいと太鼓判を押すほど。特にトマトには『夢味る（ゆめみる）トマト』と名づけ、「ぜひトマト嫌いな人に食べてもらいたい。フルーツみたいですよ」。と、自信をもって勧めます。

山下さんの野菜は市内のカフェの料理にも使用され、お店の従業員を自宅に招きＢＢＱを開催するなど交流を持ちます。お客さんから届くお礼の手紙や寄せ書きは嬉しいプレゼント。「美味しいといってもらえるのはやはり励みになる。これからは都会との交流もないと生きていけません」。と、将来は市民農園や農家民宿など、人が集う場所作りをしていきたいと夢も語ります。そんな山下さんも、一方で体力面の低下により後継者を見つけたい気持ちは強いそうです。築き上げた技術と夢を次世代へ引き継いでいくことへの希望も持ち、日々努力を重ねています。